
コマンドに別名をつけるaliasコマンドについて解説します。
「alias」コマンドとは
aliasコマンドは、LinuxやmacOSなどのUnix系OSでコマンドに別名をつけるためのコマンドです。使用頻度の高いオプションやをデフォルトで使用したり、長いコマンドを短くしたりすることができます。
本記事では、aliasコマンドの基本から具体的な使い方、永続化の手順、注意点、便利な設定例までを、初心者にもわかりやすく解説します。
この記事を読めば、日々の作業を効率化し、時間短縮につながるaliasの活用法がすぐに実践できるようになります。
aliasコマンドとは?【UNIXコマンドの効率化や保守で必須】
alias
コマンドとは、UNIXやLinuxのシェル環境で使用できる、コマンドのショートカット機能です。
長くて覚えづらいコマンドに、短くわかりやすい別名(エイリアス)を付けることで、タイピングの手間を省き、作業ミスを減らすことができます。
また保守的な観点でも重要なコマンドです。例えば、間違うと影響が大きいrm
コマンドを実行するようなシーンがある場合に実行時に必ず確認するために、-i
オプションをあらかじめ入れておく(操作者がrm
コマンドをそのままオプションなしで実行したとしても-i
オプションが必ず適用される状態にしておく)ことができます。
例:aliasの基本的な使い方
alias ll='ls -la'
この設定を行うと、ll
と入力するだけで、ls -la
の詳細リスト表示が実行されるようになります。
aliasコマンドのメリット【業務効率化・ミス防止】
aliasを活用することで、以下のようなメリットが得られます。
- ✅ よく使うコマンドを短縮できる(タイピングの時間削減)
- ✅ 複雑なコマンドを定型化(オプションの打ち間違い防止)
- ✅ 環境に合わせた作業の標準化(チーム開発でも有効)
- ✅ コマンドの意味を分かりやすくできる(読みやすさ向上)
特に開発者やインフラエンジニアにとって、aliasコマンドは日常的に使いたい便利なUNIXコマンドのひとつです。
aliasコマンドの基本構文と具体例
基本構文
alias [別名]='[実行するコマンド]'
よく使われるaliasの設定例
alias名 | 実行コマンド | 説明 |
---|---|---|
ll | ls -la | 隠しファイル含む詳細表示 |
gs | git status | Gitのステータス確認 |
gcm | git commit -m | コミットメッセージ付き |
.. | cd .. | 一階層上へ移動 |
update | sudo apt update && sudo apt upgrade | パッケージ更新 |
aliasを永続化する方法【設定ファイルに追加】
aliasはターミナルで直接設定すると一時的にしか使えません。
毎回再設定せずに済むようにするには、シェルの設定ファイルに書き込む必要があります。
Bashの場合
1. 設定ファイルを開く
nano ~/.bashrc
2. aliasを追加
alias ll='ls -la'
alias gs='git status'
3. 変更を反映
source ~/.bashrc
Zshの場合
設定ファイルは ~/.zshrc
になります。操作方法は同様です。
aliasコマンドの削除・確認方法
現在のaliasを確認する
alias
aliasを削除する
unalias [alias名]
例:
unalias ll
永続的に削除するには、設定ファイル(.bashrc
や.zshrc
)から該当の行を削除し、再読み込みします。
aliasが効かないときの原因と対処法
aliasがうまく機能しない場合は、以下の点を確認しましょう。
・シンタックスミスがないか?
alias gs='git status' # OK
alias gs = 'git status' # NG(スペースが不要)
・設定ファイルを反映したか?
source ~/.bashrc
または
source ~/.zshrc
・他のコマンドや関数と名前がかぶっていないか?
すでに存在するコマンド名をaliasにすると、予期しない挙動になる可能性があります。
UNIX初心者にもおすすめのalias集【定番まとめ】
以下のalias設定は、どのUNIX環境でも使いやすく、初心者にもおすすめです。
alias ll='ls -la'
alias la='ls -a'
alias ..='cd ..'
alias gs='git status'
alias gcm='git commit -m'
alias gpl='git pull origin main'
alias grep='grep --color=auto'
設定を .bashrc
や .zshrc
に記述しておけば、毎回手動で入力する必要がなくなります。
まとめ:aliasコマンドを使ってターミナル操作を効率化しよう
alias
コマンドは、UNIXやLinuxのシェル操作をスムーズにする強力な時短ツールです。
本記事で紹介した内容を参考にすれば、毎日の作業がグッと楽になり、生産性も向上します。
よく使うコマンドを短縮し、エラーを減らし、作業を標準化するためにも、今すぐ自分に合ったaliasを設定してみましょう!